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次世代の働き方とオフィスを考える_26 共用部の公共性とは

次世代の働き方とオフィスを考える_26

共用部の公共性とは

 

 緑道の花

ある公共の緑道でのできごと。緑道の前に住む主婦が、自主的に花を植えていた。緑道の街路樹の根元は寂しく、庭に植えていた花の延長で、緑道にも植えたのだ。もちろん区役所には内緒。しかしとうとう行政から呼び出しがあり、怒られる覚悟で区役所に出頭したところ、「あなたを表彰します。」とのこと。

びっくりした主婦が尋ねると「いつも緑道を整備してくれてありがとうございます」と表彰されたのだ。以後、主婦の活動がますます活発になったことは言うまでもない。

街角の灰皿

また、ある街角の家の前は、喫煙場所としてちょうど良い場所なのか、いつもタバコの吸い殻が山盛りになっていた。普通なら怒って禁煙の貼り紙でも貼るところだが、その家の住人は、敷地内に灰皿を置き、その周りに花を植え、白い砂利を敷き、自ら素敵な喫煙所を整備したのだ。普通なら愛煙家と住人の対立するシーンだが、以後この喫煙所では、両者の思わぬ出会いに会話の堪えない明るい街角になったとか。

廊下のアート展示

似たような話は当社の運営するオフィスビルの「日本橋小楼」にもある。何の変哲もないビルの廊下が寂しく、壁の色を変えようか、または照明の雰囲気を変えようか、など、色々と検討していたが、これといった解決策はなく迷っていた。

ちょうどその頃入居したアートギャラリーのオーナーに、絵でも飾ったらどうだろうと、立ち話で聞いてみたところ、ギャラリーの展示のPRになるから願ってもない、と作品を飾ってくれたのだ。

ビル側としても絵を照らす照明を設置し、より良い演出ができるように協力。なにげない廊下の風景は一変し、雰囲気が良くなったせいか稼働率は上がり、展示替えなどによって入居者同士の会話に繋がるなど、思わぬ効果が出た。

その後、ギャラリー側もその価値に気付き、最近はオフィスにアートをリースするビジネスを検討しているらしい。

 

共用部の演出とコスト

ビル管理一般において、専有部と共用部の境界線は明確であり、共用部に物を置くなど許されることはない。とくに廊下やバルコニーなどは、避難経路を塞いだりしてしまう可能性もあり、荷物を置かれては注意を繰り返すといった経験のあるビル運営者も多いのではないか。

しかし、外構やエントランス、外壁や廊下、EVホールなど、様々な演出によってビル価値が向上することは、多数の事例から本紙の読者は良くご存じだろう。

ただ、それをビル側のサービスとして演出するとして、そのメンテナンスコストに寛容なオーナーは少ないだろう。

 

入居者から上がってくるアイディアを支援

一日の大半をオフィスで過ごす入居者は、実はビルに対する良いアイディアを持っている。前述のような事例はもちろんのこと、事務所であまってるソファを共用部に提供したい、倉庫に眠っている絵がある、新製品のポスターを廊下に貼りたい。など様々だ。

また、事例のアートギャラリーは展示場所が部屋の目の前の廊下だったこともあり、展示した絵の管理手間など喜んで受けてくれた。

 

共用部の居心地が良くなるのであれば、自然と入居者の協力を得られるというのは、楽観的すぎるだろうか。

 

(山田)

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